今回の大会から「ゴールラインテクノロジー(GLT)」が採用されます。ボールがゴールにちゃんと入ったかどうか確認するためのテクノロジーで、これがあれば1966年決勝の延長戦でイングランドのゴールが決まったかどうかなんていう議論は生まれないでしょうし、クロスバーに跳ね返ってゴールの中に入ったかどうかも見極めることができます。たぶん。いや、まだワールドカップで試していないので、本当に機能するのかどうかわからない、と思っておかないと何でも完ぺきというのはないのでしょうから。

さて、そのGLTにはいくつかの種類があります。今回採用されているのは、2013年コンフェデレーションズカップで採用されていた「ゴールコントロール4D」 。これはスタジアム上部に設置された複数台のカメラが静止画を撮影していて、それをもとにゴールインしたかどうか判定するシステムです。ゴールの場合は審判の腕時計に「GOAL」と表示されるのですが、その判定にかかる時間はわずかに1秒。レフェリーが選手たちに腕時計を見せれば、騒ぎはすぐに収まるはず! なのです。

もう1つ、これまではユースの世界大会などで採用されていた「バニシングスプレー」も採用されます。FKなどの際、ボールを置く場所と壁の位置にマークをつけるためのスプレーで、これだとボールを押し出したり、壁が少しずつ前に出たりしても一発でわかってしまいます。 しばらくすると消えてしまうのでピッチがマークだらけになるということはありません。ただ、実際の場面で使うかどうかはレフェリーの判断に任されます。

2006年からの無線システムに次いで、今回も様々な試みがなされているワールドカップですが、昔のように上から下まで同じシステムで裁くことができなくなっているというのは、審判技術が追いついていない気がして少々残念だとも思うのですが……。