他の国の試合をみんなどんな反応をしながら見るのだろう。それを確認しようと、ドイツvsアルジェリアの時間に近くの食堂に行ってみました。

今大会の僕のお気に入りの一つはドイツ。体格にモノを言わせず、きちんと試合を組みたててプレーしていて、判断の速さと正確さが光っています。今回の大会は暑さの影響もあり、引いて守ってボールを奪ったら縦に早くパスを送り、個人の力で勝負を仕掛けるチームが多い中、ドイツが示している方向は日本にとっても参考になるのではないでしょうか。

ただ、ドイツは西ドイツの時代にアルジェリアと相性が悪く、1982年のワールドカップでは初出場のアルジェリアに西ドイツは1-2と敗れ、1次リーグ敗退の危機に追い込まれました。結局、1次リーグ最終戦で隣国、オーストリーと対戦した際、西ドイツが前半にゴールを挙げると両チームとも責めるのを止め、ひたすら時間を潰すというとんでもない試合をしました。当時この対戦を録画放送していたNHKは、試合を大幅に削り、残りの時間を1次リーグゴール集にするという「英断」を行いました。

こんな事態になったのは、1次リーグ最終戦の開催時間がバラバラだったためで、1-0で勝利を収めれば両チームとも2次リーグに行けることがわかっていたからです。そのため、1986年の大会からはリーグ最終戦は、同グループが同一時間キックオフに変更されています。

今回も前半は体を生かしたアルジェリアがグイグイと押し込み、ドイツが次第に反撃するという展開で、結局90分では決着が付かず、延長で2ゴールを挙げたドイツが、アルジェリアを試合終了間際の1点に抑えて勝利をもぎとりました。

さて、その試合を食事でもしながら……と思ったのですが、値段が書いてない! 仕方がないので壁に貼ってある食べ物の写真を指さして注文しました。

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出てきたのがこれ。いや、これ写真と全然違います。普通、ファストフードに行くと壁の写真とは似ても似つかぬ貧相な食べ物が出てきますが、これは逆。

写真ではほんの少しの野菜とご飯、ぺらぺらのステーキが2枚でした。これボリュームありすぎです。しかもビールは350mlを頼んだつもりなのに、大瓶一本出てきてるし。壁の写真は過小評価じゃないか!! いや、本当はハンバーガー屋さんもそっちのほうがいいのですが。
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と、とりあえずこれを食べながら見ました。目の前には女性が2人、どうやらこの試合を見るためにここに駆け込んだようです。アルジェリアを応援しているらしく、アルジェリアが攻めるとヒートアップ。机を叩かんばかりに何か話しています。

日本でもこういうシーンはあるのでしょうか。
「明日、ドイツvsアルジェリアだから六本木のスポーツバーで見ない?」
「アフリカ勢に頑張ってほしいよね〜。行こう、行こう」
的な。そんな会話があるようだったら日本のサッカーに何の心配も無いのですが。そもそもこのカードを流すスポーツバーがあるかどうか。

前半かけて食べました。ごめんなさい、ご飯は半分食べられませんでした。これでご飯が30レアル(約1500円)、ビールが7.5レアル(約380円)。苦しくなって後半はホテルに退避し、自室でゆっくり見たのですが、この好ゲームにあの女性たちがどれくらい反応するのか、本当は確かめたかった……。