名古屋vs千葉で、名古屋の同点ゴールの前に、近藤直也のクリアが田口泰士の手に当たった現象が「ハンドリング」の反則ではないかという声が上がっています。

実は今月、日本サッカー協会の審判委員会がメディア向けに行った講習会で、このハンドの問題はじっくりと解説が行われていました。

今は、手に当たったからハンドになるのではなく、
・ボールが飛ぶ方向に意図的に手を伸ばしているか
・相手との距離でボールが飛んできたときに手を引っ込める時間があるか
・ボールのスピードを考えて手を引っ込める時間があるか
などが勘案され、ファウルになるかどうか決まることになっています。

この場合、田口選手の目の前で近藤選手がクリアしたため、田口選手には手を引っ込めたりボールの方向に動かしたりする時間はなかったと解釈するのが普通でしょう。講習会で使われた今年のJリーグの判定基準の例を考えると、ボールを蹴った選手と手にボールが当たった選手の距離がもっと遠くても、ファウルにはならないようです。

千葉の選手は数人が主審に抗議していましたが、今年のシーズン前のルール講習会で各チームとも研修を行いどこも優秀な成績だったということですから、僕はきっと選手たちはルールを理解していたのだろうと思います。その上で、チームを落ち着かせたり、仕切り直しのためにちょっと時間を取ったのではないだろうか……と思います(違うかもしれないけど)。

ただ、こういうことって放送や速報の記事を書くとき、ルール上の解釈などがわからないことがありますから、「メディア向けルール110番」が用意されていると、もっと正確な説明が付けられるのではないかと思います。JFAがやってくれないかと、また無理なお願いをしてみようかしら。 

ここにも記事を書いておきました。
名古屋・田口泰士の同点ゴールの前のプレーがハンドリングの反則ではない理由