昨年引退した石川直宏選手に、「みんなのごはん」に登場していただきました。この記事が掲載できたのも、読んでいただいている読者のみなさまと、温かい励ましと、連載を守り続けてくださっている中の人のおかげです。それから今回は正月も無いようなタイトなスケジュールの中で様々な手配をしていただいたFC東京の広報の柳田様にも大変お世話になりました。

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引退する前にピッチへ立つことができて良かった……石川直宏が最後に見せておきたかった「生き様」とは

関係者のみなさまにご負担をかけつつ、この早い時期に掲載させていただいたのには理由があります。それは、今季のスタートの前に石川選手の思いを伝えたかったから。自分の引退すら、他の人たちやクラブのための役に立てたいという気持ちは、シーズンオフの、そして年頭の今こそ一番ふさわしいのではないかと思ったからです。

そんな石川選手の思いを記録しておくことで、父のためを思って風邪をうつさないようにと離れて寝ていたという子どもたちが、いつか自分たちの頑張っていた姿を父親はしっかり見ていたということも知ってくれるのではないかとも思っています。

年を開けると引退した選手が、引退のきっかけになったケガの痛みがすっと引いてしまったなんて話は時々聞きます。そんな話を石川選手にしたところ、「いいですね」と笑いながらも、やっぱり今でも痛いと教えてもらいました。

2009年の負傷以来、痛みに耐え続けた18年間。それでもずっと笑顔と人に対する優しさを絶やさなかった石川選手に、今後も素晴らしい人生が開けてほしいと願います。